懐かしさの追求 Ⅰ


懐かしいという記憶と
今の自分を構成する
アイデンティティは繋がっているな。
と最近気付き始めた。


その中でも一番私が大切にしている、
何が好きか、なぜそれに惹かれるのか。
そういう点において、
私に影響を与えてくれたのは
母方の祖母の家だったと思う。
私は幼少期のほとんどを
ここで過ごしていたので
(母が実家で働いてたから!)
吸収するのも当然だけど、
夜のお泊まりの日が大きかった。



今でも鮮明に覚えていることは
とりあえず、今回は一つだけ。
6月の小雨の涼しい日の
朝に観た『日曜美術館』
これは本当に私の価値観を変えた。
変えた、はその時私も5歳とかなので
変かな。
そうだなぁ。
君はこっち側だ!と言われてる気分に
なった回だった。


石田徹也さんという現代画家の方、
知ってる人いるかな?
¨飛べなくなった人¨ これが中学の時の
美術の教科書にも載っていたので
見たことある人もいるかも。
社会や人の本当の部分を切り取って
描いていた方。
彼は、生きていれば40代半ばなので、
その時代背景を考えると
失われた10年という言葉が彼らの
時代につけられてるように、
やっぱり寂しさとかは付いてくる。
それでね、私が衝撃を受けた絵は
¨三葉虫¨ というもの。
洗面台の上には薬もあって
その時の解説では、この薬は
精神、身体両方ともに弱っていた彼が
服用していたものではないか?
と言われていて、
その後彼は線路での事故で
亡くなっていることとも繋げられていて
とても寂しい気持ちになった。


けれど、私がここまで惹き付けられたのは
今となってはもう分からないけど、
ただ美しいものだけ、可愛いものだけを
最高のものとするのは勿体ないと
思う、今の自分には繋がってると思う。
孤独は愛さないけれど、
私は彼のようではないけれど、
それでも、自分とは全く違う境遇の
相手のことさえも魅了してしまう
そんな彼、そして彼の作品の不思議さを
私はとても羨ましく感じる。ひたすらに。



私を構成するものは、
かなり覚えてはいるけど
同時にかなり抽象的なので
言葉に表すのは難しいけれど
これからもできる限り
ここに書いていこうと思う。


nami


We Cry

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